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「バズればOK!」は大間違い!
SNS×動画で成功するための戦略とは?

本記事は、SNSマーケティングを成功に導く戦略について解説します。

こんな課題を持つ方にお勧めの記事です。

  • マーケティング担当者
  • 広報・PR担当者
[イメージ]「バズればOK!」は大間違い!SNS×動画で成功するための戦略とは?

SNSの利用者は年々増加し、現在ではほとんどの日本人が何かしらのSNSを利用しています。また、YouTuberをはじめとするSNS上でファンを集めたインフルエンサーが人気となり、彼らが多くの人々に認知されるようになった結果、YouTuberという職業も一つの職業として認識されるようになりました。このような流れなどもあり、SNSは人々にとって、さらに身近な存在となっています。
また、情報量の増加に伴い、消費者は興味のないチラシをすぐに捨てたり、CMが流れると別のことを始めたりと、自分に必要な情報を選び取るようになっています。このように、企業からの一方的な情報発信では効果が得られにくくなっている背景から企業とユーザーが直接つながり、双方向のコミュニケーションが可能なSNSの重要性が高まっており、実際にSNSを活用する企業も増加しています。
しかし、SNSでとにかく自社アカウントのフォロワーが増えればいい、投稿に多くの「いいね」がつけばいいというわけではありません。SNS運用の目的やターゲットを定め、マーケティング効果向上のためにSNSを利用する必要があります。今回は企業がSNSを活用する際のポイントをご紹介いたします。

市場概況

SNSは人々の存在に欠かせないものとなりつつあるツールですが、実際にどれくらいのユーザーが利用しているのでしょうか?主なSNSのユーザー数と利用率について、まとめたものが下記のグラフになります。

●日本国内の主要SNSの月間アクティブユーザー数

[イメージ]日本国内の主要SNSの月間アクティブユーザー数

日本で最も利用者が多いSNSはLINEで、月間アクティブユーザー数は9,500万人に達しています。次いでYouTubeが7,120万人となっており、以下、X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、TikTok、Pinterestと続き、多くのユーザーが毎月SNSにアクセスしていることがわかります。次に日本国内の主要SNSの利用率ランキングを見てみましょう。

●日本の主要SNS利用率ランキング

[イメージ]日本の主要SNS利用率ランキング

日本で最も利用率が高いSNSはLINEで、その利用率は93%に達しています。次に高いのはYouTubeで88%となり、その後は大きく下がって、Instagramが49%、X(旧Twitter)が46%、Facebookが33%、TikTokが25%という結果です。このデータからLINEやYouTubeの利用率が非常に高いことがわかりますが、TikTokも25%という数値を考慮すると、スマートフォンを持っている4人に1人が利用していることになり、十分に高い利用率といえます。

データをもとに考える

これらの結果から、多くの日本人がSNSを活用していることが明らかになりました。特に、利用率が最も高いLINEは、チャット機能や通話機能を備えたその便利さから、幅広い世代に日常的に使われており、従来のメールに代わる主要なコミュニケーションツールとなっています。その他のSNSも利用者が多く、企業にとってSNSの重要性がますます高まっている理由が理解できるでしょう。SNSを効果的に活用し、ユーザーと適切なコミュニケーションを図ることで、マーケティングの効果をさらに向上させましょう。

[イメージ]データをもとに考える

ここがポイント!

多くのユーザーが利用しているSNSをマーケティングに活かそうとする企業は今後も増えていくと考えられます。しかし、SNSマーケティングを成功に導くためには、しっかりと戦略を立てたうえでSNSアカウントを運用していく必要があります。ここからは、SNSマーケティングにおける重要なポイントを解説いたします。

1.目的を決める

SNSマーケティングを始める際には、まず「なぜ、SNSマーケティングを行うのか?」という目的を明確にすることが重要です。目的の例として、自社の認知度を高める、Webサイトへのアクセスを増やす、商品購入を促進する、ブランディングを強化する、といったものが挙げられます。
目的に応じて、適したSNSや発信すべき情報が異なり、それに合わせた戦略を立てることが必要です。目的が明確になれば、ターゲットとなるユーザー層や、SNSで使うべき手法、運用方針も自然と見えてきます。

2.ペルソナを作成する

自社の商品やサービスを利用する顧客像を具体的に描くというマーケティングにおいて、顧客理解を高める方法です。具体的な人物像を考えることにより、そのペルソナならどのSNSを利用しているか、どのような情報やコンテンツを発信すれば喜んでくれるのかなどを考える際に有効です。

関連情報:以下をご参考になさってください
BtoBマーケティングで顧客理解を高めるためのペルソナ作成のコツと事例紹介

3.SNSの運用ルールやマナーを理解する

SNSは企業とユーザーが自由につながれる場ではありますが、何をしても許されるわけではありません。各SNSには利用規約があり、これに違反すると、運営企業による調査の対象となり、悪質と判断されるとアカウントの機能が制限されたり、凍結されたりする可能性があります。例えば、X(旧Twitter)では、フォローや投稿の拡散を条件としたプレゼントキャンペーンをよく見かけます。これは企業とユーザー双方にメリットがあるため、X(旧Twitter)では一般的なキャンペーン手法です。
しかし、FacebookやInstagramでは、フォローなどに対して見返りを提供するプレゼントキャンペーンは規約違反となるため、注意が必要です。また、SNSの利用規約は頻繁に更新されることがあるため、目的に合わせて最新の規約を確認することが重要です。

4.自社の目的や商材に合わせたSNSプラットフォームを選ぶ

SNS運用の目的やペルソナを決めたら、各SNSの特徴を踏まえて、どのプラットフォームを運用するか選びましょう。ユーザー数や利用率、利用規約に加えて、年齢層や男女比、各SNSの機能も比較し、自社の目的や扱う商材に最も適したSNSを選ぶことが大切です。以下に、主要なSNSの特徴をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

(1)LINE
月間アクティブユーザー数9,500万人、幅広い世代で利用率が高く、メッセージツールとしての地位を確立している。自動返信機能により、営業時間外での対応やクーポン配信、来店予約などが行える。
他のSNSに比べると、情報拡散力がやや弱い。

(2)YouTube
月間アクティブユーザー数7,120万人、動画をメインにするSNS、幅広い世代で利用されており、長尺動画と縦型のショート動画の2種類の形式で、ユーザーに商材やサービスを訴求できる。YouTubeに投稿した動画リンクを他のSNSで利用したり、Webサイトに活用したりできる。
動画の編集に時間やコストがかかるというデメリットがある。

(3)X(旧Twitter)
月間アクティブユーザー数6,658万人、幅広い年齢層で利用されているものの、特に20代が多い。
短文でのコミュニケーションがメインでリアルタイム性が重視されている。情報拡散力が強く、キャンペーンも展開しやすいので、フォロワー以外の人の目にとまる可能性も高い。その一方で、拡散力が高いことにより、炎上のリスクが高い。

(4)Instagram
月間アクティブユーザー数 3,300万人、ユーザーは10~20代の若者が多く、女性の利用率が高い。
画像や動画をメインとするSNSで、ビジュアルやデザインに強みのある商材の魅力を訴求するのに強い。
通常の投稿以外にも、投降後24時間で消えるストーリーズ機能やライブ配信機能も備わっている。
ただし、画像の綺麗さや映えが重視されるため、相性のいい業種が限られる。

(5)Facebook
月間アクティブユーザー数2,600万人、30~50代の年齢層が高めのユーザーが多い。実名登録制なので、リアルなつながりを反映しやすく、ビジネスシーンでも活用されていることが多いので口コミの信頼度が高い。コンテンツの自由度が高く、Webサイトのような形で情報を発信可能。
日本国内では若者の利用率が低く、ユーザー数も減少傾向にあるが、アジアや欧米ではFacebookが1番利用されているので、海外向けのマーケティングに強い。

(6)TikTok
月間アクティブユーザー数950万人10~20代の若者のユーザーが全体の半分を占める。短尺動画メイン、豊富な動画編集機能が無料で利用可能なので、手軽に質の高い動画を制作できる。
ユーザーの多くが若者であることや短時間で魅力を伝えることから、BtoC企業と相性がよく、BtoB企業の商材を訴求するのにはあまり向いていない。

上記以外にも多くのSNSがあるので、各SNSの特徴をしっかりと把握して、自社に合ったSNSプラットフォームを選択するようにしましょう。

5.目的達成のためのKPIを設定する

SNSマーケティングの目的と運用するSNSを決めたら、目的達成のためのKPIを定めましょう。
例えば、認知拡大が目的の場合は月に自社アカウントのフォロワー数を○○人増やす、売上や問い合わせの増加が目的の場合、SNS経由での問い合わせが月に○件来るようにするなどの目標を定めるとよいでしょう。KPIは具体的な期間と数値で設定するようにして、後から効果測定を行うようにしましょう。

6.ユーザーとの関係を深める

SNSでは企業が伝えたい商品の情報などを投稿するだけではユーザーと関係を構築することは難しいです。季節や行事に合わせたタイムリーな情報、ユーザーが参加できるアンケートやキャンペーンの開催、自社の商品などを利用する際に役立つ情報を発信することで、ユーザーとの関係が深まります。自社の伝えたい情報とユーザーが知りたい情報・喜ぶ情報を組み合わせて提供することで、ファンを増やしやすくなります。

7.炎上対策を事前に決めておく

SNSではさまざまな理由で炎上が発生するリスクがあります。実際に悪ふざけや誤って投稿してしまった内容が多くの人に拡散されることで、炎上へと発展し、企業の信頼を大幅に低下させたり、訴訟問題などに発展したりすることもあります。炎上を予防するためには、企業内でのSNSリテラシーに関する教育の実施や投稿内容は複数人で確認し、不適切な投稿をしないように心がけましょう。
どんなに慎重にSNSを運用していても炎上が発生する可能性はあります。予防策のみではなく、実際に炎上が発生した際の対策マニュアルも作成しておくことをおすすめします。

関連情報:以下をご参考になさってください
SNS活用支援

これまで、SNSマーケティングの実施におけるポイントを解説してきましたが、動画を活用したマーケティングを取り入れることで、さらに効果を高めることができます。SNSでは、ユーザーの登録情報やアクティビティデータをもとに、多角的にターゲットを絞り込んで広告を配信することが可能です。そのため、商品やサービスの魅力をより印象的かつわかりやすく伝えられる動画広告は、非常に効果的です。テキスト投稿だけでなく、動画コンテンツやSNS広告を組み合わせて、自社のSNSマーケティングを成功へと導きましょう。

今後の展望

SNSの利用者は年々増加傾向にあり、Threadsのように新たなSNSも次々に誕生しています。
企業におけるSNSマーケティングの重要性も高まっていますが、流行しているからSNSアカウントを開設すればいいというわけではありません。自社の目的に合わせて、ペルソナ作成や運用するSNSを決め、運営体制の確立や戦略を練る必要があります。短期間での結果を求めるのではなく、分析と改善を繰り返し、着実に目的達成に向けて努力を重ねていくことがSNSマーケティングには欠かせません。

■過去のコラムは以下からご覧ください。
マーケティングコラム

※本記事は、2024年9月に作成、公開しました。記事の内容は当時のものです。

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