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これだけ押さえればOK!
動画マニュアル作成のコツを解説!

本記事では、動画マニュアルを作成する際のコツを解説します。

こんな方にお勧めの記事です。

  • Web担当者
  • 映像制作担当者
  • 教育・研修担当者
[イメージ]これだけ押さえればOK!動画マニュアル作成のコツを解説!

自社の商品の正しい使い方を解説するときや新入社員に業務を教えるときに、言葉だけでは説明するのが難しいと感じたことはありませんか?そんなときに役立つのが動画マニュアルです。
映像と音声で手順や操作などのポイントを視覚的に伝えることができるので、言葉で教えるだけや文章だけのマニュアルを読むよりも格段にわかりやすいという特長があります。
ただ、実際に作ってみるとなると難しそうと感じる人も多いのではないでしょうか?そんな不安を感じている方に向けて、この記事では動画マニュアル作成のコツを解説します。

動画マニュアルの重要性と活用される場面

動画マニュアルは、視覚と聴覚を同時に活用して情報を伝えられるため、文章だけのマニュアルに比べて理解しやすく、記憶にも残りやすいという特長があります。特に複雑な手順や操作方法を説明する際には、実際の作業風景を映像で確認できるため、作業内容を具体的にイメージしやすくなります。また、操作中に疑問が生じた場合でも、繰り返し視聴することで理解を深められる点も大きなメリットです。
さらに、動画マニュアルは一度作成すれば繰り返し活用でき、一貫した情報を提供できるため、誤解や情報のばらつきを防ぐ効果も期待できます。そのため、企業にとって動画マニュアルの効果的な活用は重要なポイントと言えるでしょう。
では、実際に企業ではどのような場面で動画マニュアルが活用されているのでしょうか?動画マニュアルを利用した経験のある2,206名を対象に行われた調査結果をご紹介します。

●動画マニュアルの活用シーンを教えてください
(複数選択可、n=2,206)

[イメージ]動画マニュアルの活用シーンを教えてください(複数選択可、n=2,206)

調査結果によると、「日常業務で新しい業務を習得するとき」が77.1%と最も多く、次いで「新人研修で新しい業務を習得するとき」が46.7%、さらに「業務内容に変更があったとき」が42.8%、そして「イレギュラー時(トラブルなど)の対応をするとき」が35.0%と続いています。
これらの結果から共通していえるのは、新しい業務やイレギュラーな状況など、慣れていない作業を習得する際に動画マニュアルが広く活用されているということです。視聴者の多くが業務や作業に不慣れである可能性を考慮すると、動画マニュアルを作成する際には、専門用語をできるだけ避け、わかりやすい表現を意識することが重要だといえます。
また、視聴者が理解しやすいよう、手順を丁寧に説明し、つまずきやすいポイントは映像や図を使って補足するなど、工夫を凝らすことで、より効果的なマニュアルを作成することができるでしょう。

動画マニュアル作成のコツ

ここまでで、動画マニュアルの重要性や動画マニュアルが活用される場面などを理解していただけたと思います。ここからは、動画マニュアルを作る上でのコツを解説していきます!

(1)動画マニュアルの目的と目標設定

動画マニュアルを作成する際は、具体的な目標を設定することが非常に重要です。明確な目標を持つことで、動画の内容や構成を効率的かつ効果的に計画することが可能になります。以下のポイントを押さえることで、動画マニュアルの目的をより具体的に設定することができます。

1.目的の明確化

まず、動画マニュアルを作成する際には、その目的を明確にすることが重要です。目的を明確にすることで、動画の構成や適切な長さを計画する際の指針となります。例えば、動画マニュアルの目的としては、新人教育を効率化すること、業務や作業手順の理解を深めること、あるいは顧客サポートを向上させることなどがあげられます。明確な目的があれば、視聴者にとって有益で効果的な動画を作成することが可能になります。

2.ターゲットオーディエンスの特定

動画マニュアルの目的を設定したら、次に視聴者となるターゲットを明確にしましょう。たとえば、視聴者が会社に入社したばかりの新入社員なのか、工事現場で機材を扱う作業員なのかによって、必要な情報や専門用語の理解度は大きく異なります。視聴者がどのようなニーズを持ち、どの程度の知識を有しているかを把握し、それに応じた内容を提供することが重要です。これにより、動画マニュアルがより実用的で効果的なものになります。

3.具体的な成果の設定

動画マニュアルを作成する際には達成したい具体的な成果を設定するようにしましょう。例えば、「新人社員が1週間以内に基本的な業務を習得する」や「顧客が製品の設定方法を理解し、サポートへの問い合わせが減少する」といった目標を設定することで、動画の方向性が明確になり、効果の測定もしやすくなります。

4.評価基準の設定

動画マニュアルの成果を確認するには、効果を測定するための具体的な評価基準を設定することが重要です。評価指標として、「動画の視聴回数」、「視聴者からのアンケートによるフィードバック」、さらに「動画公開後に作業時間が短縮されたか」など、具体的で測定可能な指標を使用します。これらの基準を用いることで、動画マニュアルの効果を客観的に評価し、その改善につなげることができます。

(2)動画マニュアルの計画と準備

動画マニュアルの目的や目標が明確になり、具体的な成果や評価基準が設定できたら、次のステップは計画と準備です。どのような動画マニュアルを作りたいのかを具体的にイメージし、必要な内容を整理しましょう。また、撮影や編集に必要な機材やソフトウェアを確認し、万全の準備を整えることも重要です。計画段階でしっかりと準備を進めることで、作成作業をスムーズに進行させることができます。
準備を進める際には、5W1Hを活用して必要な内容を整理するとわかりやすくなります。

When
動画マニュアルを使用する期間はいつか?
Where
撮影を行う場所はどこか?どこで視聴するのか?
Who
視聴者は誰か?
What
動画マニュアルで何を伝えたいのか?
Why
なぜ動画マニュアルを作成する必要があるのか?
How
動画の構成内容と制作手法はどうするのか?

これらのポイントを意識しながら準備を進めることで、効果的な動画マニュアル作成の土台を築くことができます。

(3)動画マニュアルの作成手順

準備が整ったら、動画マニュアルの作成に取り掛かります。ここからは、動画マニュアルの構成、撮影、編集といった各ステップで意識すべきポイントについて解説していきます。

1.構成案と台本の作成

まずは動画マニュアルの構成を考えます。実際の業務や作業で特に理解が難しい部分を洗い出し、動画の適切な長さについてチームで話し合いながら、必要な情報を盛り込むようにしましょう。動画が長すぎると視聴者の集中力が途切れてしまうため、一つのテーマにつき1本の動画にまとめるのが理想的です。
もし既に紙のマニュアルがある場合は、紙媒体では伝えにくかった点を確認し、その部分を動画でわかりやすく説明するように工夫しましょう。視覚的な要素を活かすことで、紙では補えなかった情報も効果的に伝えることができます。
構成が固まったら、台本を作成します。台本では視聴者が内容を理解しやすいように、専門用語や指示語の多用を避け、具体的でわかりやすい表現を心がけましょう。また、ナレーションを入れる部分やカメラで撮影する場所を明記し、各シーンの動きや尺を整理しておくと、撮影や編集がスムーズに進行します。

2.機材の準備・人員の確保

台本が完成したら、撮影に必要な機材を準備しましょう。高解像度のカメラを使用することで、操作の細かい動作まで鮮明に記録できます。また、三脚やジンバルを活用することで手ブレを防ぎ、安定した映像を撮影することができます。
音声を録音する際には、クリアで聞き取りやすい音声にするためにも、可能な限りカメラマイクではなく外付けのマイクを用意しましょう。出演者が複数いる場合は、それぞれの音声を確実に拾えるよう、人数分のマイクを準備するのが理想的です。また、撮影環境で自然光が不足する場合に備えて、スタンド照明などの照明器具を用意し、十分な明るさを確保してください。
撮影後の編集では、動画編集ソフトを使って不要な部分をカットしたり、文字情報やナレーション、音楽などを入れたりして、視聴者にとってわかりやすい動画に仕上げます。
また、動画制作はこのように複数の素材を組み合わせて作るため、それぞれの担当者をつけて役割分担を行うと効率的です。少ない人員で構成する場合は、どんな映像にするかを判断する監督が演出と仕上げの動画編集を担当し、撮影や音声、照明などは技術的な知識がある担当者で構成するといいでしょう。

3.動画の撮影と編集

台本をもとに、いよいよ動画の撮影を開始します。撮影場所の環境に応じて、カメラや照明、マイクの設定を調整し、映像が暗くなったり音声が途切れたりしないように注意しましょう。
カメラに向かって説明する際は、話す内容が視聴者に伝わるよう、早口を避け、落ち着いたペースで話すことを心がけてください。また、セリフを正確に覚え、間違えないようにすることで、スムーズでわかりやすく解説できます。撮影中は、視聴者の立場に立ったわかりやすい説明を意識することが大切です。
最後のステップは動画編集です。編集を始める前に、撮影した映像や録音した音声、テロップ用の文章、静止画など必要な素材をすべて揃えておきましょう。
編集の際は、動画の流れが自然であるか、長さが適切か、視聴者にとってわかりやすい内容になっているかを確認することが大切です。チームメンバーと内容をチェックし合い、意見を反映して適宜修正を行うことで、より完成度の高い動画マニュアルを作成することができます。

[イメージ]担当者に聞く!動画マニュアル作成のポイントとは?

(4)担当者に聞く!動画マニュアル作成のポイントとは?

これまで、動画マニュアル作成の基本や完成度を高めるためのコツを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?ここからは、弊社で動画マニュアル作成を担当している社員に取材し、内容をよりわかりやすく伝えるためのポイントを伺いました。その要点をまとめて紹介します。

動画マニュアルは、大きく2種類のタイプに分けられます。一つは実物の商品や製品を対象としたマニュアル、もう一つはWebやソフトウェアなどのデジタルツールを対象としたマニュアルです。
どちらのタイプにも共通する重要なポイントは、見せたい部分を明確にし、必要なテロップをしっかり入れることです。また、視聴者が混乱しないように、一つの画面で複数の内容を同時に説明するのは避けましょう。一つの作業を丁寧に解説してから、次の作業へと進む構成にすることで、わかりやすい動画マニュアルを作成できます。次にそれぞれのマニュアルごとに、完成度を高めるポイントを紹介します。

実物の商品や製品を対象としたマニュアルでは、全体像を見せつつ、細かい作業時には被写体を拡大するなどで細部がよく見えるようにしましょう。例えば、電気設備を扱う場合、最初に設備全体を映してから、操作するボタンやパーツといった被写体を拡大することで、手元での作業が視聴者にとって見やすくなります。
最初に全体像を示すことで、視聴者が操作するボタンやパーツの位置関係を視覚的に把握しやすくなり、説明が理解しやすくなります。

Webやソフトウェアなどのデジタルツールを対象としたマニュアルでは、操作している画面上のどの部分に注目すべきかをわかりやすく示すことが重要です。たとえば、テロップで該当箇所を説明したり、操作するボタンを矢印で指したり、枠で囲う、あるいは、注目してほしい個所を拡大するなどの工夫を加えることで、視聴者が迷わず注目できるようになります。
また、マウス操作については、視聴者にはカーソルの動きが速く感じられることがあるため、意識的にゆっくり動かすことで、視聴者にとってちょうどよいスピード感になります。

以上が、弊社で動画マニュアル作成を担当している社員が実践しているよりわかりやすく作るポイントです。実際に動画マニュアルを作成してみると、カメラワークの調整や必要な機材の準備が意外と難しく感じることもあります。そのような場合は、無理に社内で対応しようとせず、プロに依頼して動画マニュアルを作成してもらうのも一つの方法です。

関連情報:以下をご参考になさってください
映像制作|東芝デジタルマーケティングイニシアティブ株式会社

まとめ

動画マニュアルの目的をメンバーと話し合い、しっかりと計画・準備を整えた上で作成を進めましょう。視覚と聴覚を活用できる動画マニュアルは、情報伝達力に優れ、業務の効率化や教育効果の向上に大きく貢献します。しっかりと活用することで、企業にとっての貴重な資産となるでしょう。ぜひ積極的に取り入れてみてください。

■過去のコラムは以下からご覧ください。
マーケティングコラム

※本記事は、2024年12月に作成、公開しました。記事の内容は当時のものです。

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