マーケティングコラム
企業の魅力を最大限に伝える!
採用活動のトータル戦略ガイド(後編)
本記事では、採用サイトに掲載すべき情報や構築手順のポイントを解説します。
こんな方にお勧めの記事です。
- 採用担当者
- マーケティング担当者
- 広報・企業PR担当者
![[イメージ]企業の魅力を最大限に伝える!採用活動のトータル戦略ガイド(後編)](../../common/img/marketing-guide/2025/202504_31/img01.png)
前編では、採用活動の推進において企業説明会やインターンシップの実施、動画やSNSを活用した情報発信など、多角的に企業の魅力を伝えることが重要であることを解説しました。これに対して、以前から変わらず採用サイトは学生が企業理解を深めるための主要なコンテンツであり、採用活動の中枢となっています。
後編では、採用サイトについて、学生が重要視する情報や掲載すべき情報、構築手順などを解説します。
学生が志望企業を研究する際の情報源はなにか?
前編ではどのような経路で企業を探しているのかを調査結果から解説しましたが、今回は志望する企業が固まってきた段階で、どのような情報をもとに企業研究を進めているかを確認してみましょう。
以下のグラフは、2025年卒業予定の学生1,030名を対象に、志望企業を研究する際に役立つ情報源について調査した結果を示しています。
●志望企業の研究に有益な情報源(n=1,030)
![[イメージ]志望企業の研究に有益な情報源(n=1,030)](../../common/img/marketing-guide/2025/202504_31/img02.png)
- 引用元 :株式会社キャリタス
2025年卒 採用ホームページに関する調査(外部サイトにリンクします)
志望企業を詳しく調べる際には、「個別企業のホームページ」を活用する学生が最も多く、次いで「個別企業の説明会」が多く利用されています。この結果から、学生が企業の詳細を研究し、面接対策を行ったり、採用サイトを通じて働くイメージを具体化したりしていることがわかります。
また、4位にはインターンシップがランクインしており、学生が社員との交流や業務体験を通じて、企業理解を深めようとしていることがうかがえます。
さらに、「個別企業の採用動画」は企業探しの段階では1.2%の利用率だったのに対し、企業研究の段階では9.4%へと大きく増加しており、動画を通じて情報を得る学生が増えていることが明らかになりました。
この調査結果から、多くの学生が採用サイトから得られた情報をもとに企業研究を進めていることがわかります。せっかく採用サイトを構築しても、学生が求める情報が全然ないという状態では意味がありません。学生が求める情報を把握したうえで、掲載すべき情報を定めていく必要があります。前編で解説した通り、採用活動に取り組む際には企業説明会やインターンシップなどのイベント、採用動画などを駆使して、企業の魅力を多方面から伝える重要性を改めてご理解いただけたのではないでしょうか?
次章からは学生に響く採用サイトを構築する際のポイントを解説します。
採用サイトに掲載すべきコンテンツ
まずは、採用サイトに掲載すべきコンテンツについて解説します。学生が求める情報と、企業として提供することが望ましい情報の双方の観点から、適切なコンテンツを選定していく必要があります。
●募集要項・選考フロー
募集要項と選考フローは採用サイトには重要なコンテンツです。
募集要項には、募集する人数や職種、対象者の年齢などを定め、勤務時間、勤務形態、給与、福利厚生制度、年間休日日数などを記載します。応募条件を理解してもらった後、学生には応募後の選考プロセスがどのように進行するかを把握してもらう必要があります。応募開始日、書類選考、面接などのスケジュールを明記しておきましょう。
●福利厚生
学生は福利厚生を重要視していますが、面接では質問しにくい項目でもあります。そのため、有給休暇の取得可能日数と開始日、特別休日、住宅手当などの各種手当、社会保険について詳しく記載しましょう。仕事とプライベートの両立や金銭的安定についての不安を解消するためにも、福利厚生について詳細に記載しておくことが大切です。
関連情報
福利厚生|採用情報|東芝デジタルマーケティングイニシアティブ株式会社
●社員インタビュー
現場で活躍する社員のインタビューは、企業のリアルな様子を伝えるうえでとても重要です。
社員の仕事への想いや1日の仕事の流れを知ることで、学生は企業への親近感を持ち、自分が働く姿をイメージしやすくなります。インタビューする社員は勤続年数や過去の職歴、職種などから幅広く選び、さまざまなモデルケースを紹介するようにしましょう。
関連情報
社員インタビュー|採用情報|東芝デジタルマーケティングイニシアティブ株式会社
●企業に関連する数字やグラフ
企業の実績を数字で示すことで、信憑性が向上します。売上高、社員数、男女比、平均年齢などの企業情報を図やグラフで分かりやすく表示しましょう。学生は福利厚生や待遇を重視する傾向があるので、これらのデータに加えて、離職率、平均残業時間、産休・育休の取得率を記載すると効果的です。
関連情報
数字で見る|採用情報|東芝デジタルマーケティングイニシアティブ株式会社
●職場の雰囲気が伝わる写真・動画
文字情報だけの紹介では実際の雰囲気は伝わりにくいものです。オフィスの風景や社員の働く様子の写真や職場の設備を紹介するオフィスツアーや社員の1日に密着する動画などを制作するとよいでしょう。さらにこれらの画像や動画を企業公式SNSでも活用することで効果を高めることができます。
●研修・教育制度
研修・教育制度の情報を掲載することで、学生は入社後にどのようなことを学ぶのか、自分のスキルアップ・キャリア形成に対する企業の取り組みを理解しやすくなります。また、人材育成へ注力していることを伝えることで、応募者の意欲向上につながります。
![[イメージ]採用サイトの構築手順](../../common/img/marketing-guide/2025/202504_31/img03.png)
採用サイトの構築手順
採用サイトに掲載すべきコンテンツについて紹介してきましたが、コンテンツを制作して採用情報や企業情報を発信するだけでは効果が上がりません。
ここからは採用サイトを構築する手順をご紹介します。
① 採用サイトの目的の明確化
まず、採用サイトを構築する目的を明確に定める必要があります。主な目的としては、応募数の増加やミスマッチの防止が挙げられます。目的によってサイトの性質や掲載すべき内容が異なるため、求める人材を具体的にイメージすることなどができなければ、採用サイトの効果を発揮することは困難です。
② ターゲットの設定
次にターゲットを設定する必要があります。ターゲット設定時にはターゲット像を具体化する必要があります。例えば、「コミュニケーション力がある人」という抽象的な表現ではなく、「目上の人への受け答えができる人」、「初対面の人と打ち解けられる人」のように、どのようなコミュニケーションができる人を求めているかを考え、詳細なターゲット像を定めましょう。社内で活躍している社員を参考にしてターゲットを設定することも有効です。
③ 掲載するコンテンツの整理
採用サイトの目的やターゲットに合わせて、掲載するコンテンツを整理し、「企業が発信したい情報」と「学生が求めている情報」の双方を調整して、掲載するコンテンツを決定します。この際、競合他社の採用サイトも確認することが重要です。学生は競合他社の採用サイトも閲覧しているため、他社には掲載されているコンテンツが自社にない場合、比較検討が難しくなります。競合他社の採用サイトを参考にしながら、自社のオリジナルコンテンツを掲載し、個性を示しましょう。
④ サイトマップの作成
サイトマップとは、サイト全体の構造がどうなっているのかを示したものであり、サイトマップを作成することで必要なページが揃っているかを確認できます。情報が分散し過ぎるとわかりにくいサイトとなってしまうので、ページ数を抑えつつ、各ページのコンテンツを充実させましょう。
⑤ デザイン
採用サイトは、企業が求める人材に「ここで働きたい」と思ってもらえるように設計する必要があります。サイトのデザインは企業の第一印象に影響を与えるため、企業のイメージとターゲットに合わせたデザインや色、ページの構成を決めていきましょう。ただし、情報がわかりにくくならないように注意してください。使いやすさや見やすさも考慮したデザインにすることが重要です。
以下のようなデザインが、採用サイトのトレンドとなっています。
●アニメーション
Webサイトで最初に表示される、ファーストビューの部分などにアニメーションを使用することで、遊び心を効果的に伝えたり、企業の想いを伝えたりすることに有効です。視覚的に情報を伝えるので、難しい情報もわかりやすくなります。
●モバイルファースト
多くの学生はスマートフォンで採用サイトを閲覧します。そのため、モバイルファーストでWebデザインを考えなければなりません。
レスポンシブデザインやスマホ特有の操作感・画面サイズを考慮したUI設計が重要です。
●タイポグラフィ
文字そのものをデザイン要素として活用し、企業からのメッセージを強調するのに非常に有効です。
メッセージを強調することで、応募者と企業のミスマッチを防ぎやすくなります。
⑥ サイトの構築
デザインまで確定したら、実際にサイトを構築していきます。サイト制作のノウハウがあれば、自社で構築した方がコストを抑えることができます。しかし、ノウハウが無いまま採用サイトを構築しようとすると、構築までに時間がかかり、効果も上がらない場合もあります。
このようなことにならないようにするためには、制作会社に構築を依頼することも有効な手段です。採用サイトのターゲット、掲載したい情報、希望するデザインなどをしっかりと話し合ったうえで、構築作業へ進んでもらうようにしましょう。
弊社でも採用サイトをコンテンツ企画、デザイン、サイト構築までワンストップで支援しています。
関連情報
採用サイト構築|東芝デジタルマーケティングイニシアティブ株式会社
まとめ
後編では、学生が企業理解を深めるうえでの主な情報源になる採用サイトについて、掲載すべき情報や実際に採用サイトを制作する手順とポイントを解説してきました。採用サイトの目的や求める人材をしっかりとイメージし、「企業が発信したい情報」と「学生が求めている情報」の双方を取り入れたバランスのよい、採用サイトを構築するようにしましょう。
前編で解説した、企業説明会やインターンシップなどの採用イベント、企業の魅力や特徴を視覚的に伝える採用動画、日頃から情報を発信し、学生との距離感を縮めるSNSなども上手く組み合わせることで、学生に知ってもらいたい情報を最大限に伝えることができます。
多方面から企業の魅力を訴求し、求める人材を確保できるように採用活動を進めていきましょう。
■過去のコラムは以下からご覧ください。
マーケティングコラム
※本記事は、2025年4月に作成、公開しました。記事の内容は当時のものです。