マーケティングコラム
Webアンケートの安全性を高めるための
セキュリティ対策とは?
本記事では、Webアンケートを実施する際のセキュリティ対策について解説します。
こんな方にお勧めの記事です。
- Web担当者
- マーケティング担当者
- 広報・企業PR担当者
- 製品・サービス開発者
![[イメージ]Webアンケートの安全性を高めるためのセキュリティ対策とは?](../../common/img/marketing-guide/2025/202501_29/img01.png)
近年、企業がWebアンケートを実施し、自社の商品やサービスに対する、ユーザーの意見を集めることが増えてきています。Webアンケートでは、氏名や住所、メールアドレス、電話番号などの個人情報を収集する場合もあるので、アンケートを実施する企業側に高い安全性が求められています。
適切なセキュリティ対策を施していないアンケートを実施すると、個人情報漏洩などにつながり、ユーザーに不信感を与え、ひいては企業の信用にまで悪影響を与える可能性があります。
この記事では、Webアンケートのセキュリティの重要性とセキュリティ対策を怠った場合のリスクを述べ、具体的なセキュリティ対策方法をわかりやすく解説します。
Webアンケートに潜むリスクとセキュリティ対策の重要性
Webアンケートでは、ユーザーがフォームに入力した情報をサーバーに送信し、データベースに保存する仕組みが一般的です。このフォームは外部からの情報を受け取る役割を担いますが、適切な管理を行わないと、サーバーの脆弱性を悪用される可能性があり、不正アクセスによるデータの盗難やウイルス感染の侵入口となるリスクもあります。
総務省が公開した「令和6年版 情報通信白書」によると、サイバー攻撃は年々増加傾向にあります。このような状況下において、インターネット上では誰もがサイバー犯罪の被害に遭う可能性があることを認識しておきましょう。
●NICTERにおけるサイバー攻撃関連の通信数の推移
![[イメージ]NICTERにおけるサイバー攻撃関連の通信数の推移](../../common/img/marketing-guide/2025/202501_29/img02.png)
※NICTERとは国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が運用している大規模サイバー攻撃観測網のことです。
- 引用元 :総務省
総務省|令和6年版 情報通信白書|サイバーセキュリティ上の脅威の増大(外部サイトにリンクします)
サーバーへの不正アクセスやウイルス感染が発生すると、データベースに保存されたユーザーの個人情報や企業の機密情報が盗まれたり、流出したりする深刻な問題を引き起こします。近年では、企業が管理していた個人情報の流出事件がメディアで報じられるケースが増加しており、これらの事件が企業の信用に大きな打撃を与えることも少なくありません。
一度失った信用を取り戻すには、非常に長い時間と多大な努力が必要です。このような事態を防ぐためには、Webアンケートを実施する際にセキュリティ対策を徹底することが欠かせません。
Webアンケートのセキュリティ対策
上記のようなサイバー犯罪への対策として、主なものを以下で紹介します。
(1)SSL暗号化通信
Webアンケートを実施する際に、SSL暗号化通信は非常に重要なセキュリティ対策の一つです。
「SSL」とはSecure Sockets Layerの略で、インターネット上で送受信されるデータを暗号化し、第三者によるデータの盗難などを防ぐ技術で、多くの国や地域では、個人情報を取り扱う際にはSSL暗号化通信の確立を義務付けています。
SSL暗号化通信により、アンケート回答者が入力した個人情報や回答内容を保護し、安全にサーバーへと入力データを送信することができます。この技術はアンケート以外に企業のお問い合わせフォームやオンラインショップでのショッピングカートなどでも利用されています。
SSL暗号化通信が確立されているかは、アンケートフォームのURLが「http://~」ではなく「https://~」で始まり、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されるので、簡単に確認できます。
SSL暗号化通信を導入することで、ユーザーに安心してアンケートに回答してもらうことができます。
(2)ファイアウォール、IPS、WAFの導入
ファイアウォールは、インターネットと自社サイトの間に設置される防火壁のような役割を果たし、許可された通信のみを通過させることで外部からの不正アクセスを防ぎます。
IPSはIntrusion Prevention Systemの略で不正侵入防止システムを指し、ファイアウォールを通過した通信を解析して、不正アクセスを検知した際には管理者に通知し、攻撃パターンを検出します。
WAFはWeb Application Firewallの略で、Webアプリケーションへの不正な攻撃を防ぐために開発された専用防御ツールです。未発見の脆弱性に対しても外部からのアクセスのデータパターンを解析し、不正アクセスがあった際には素早く検知し、被害の拡大を未然に防ぎます。
ファイアウォール、IPS、WAFの3つを組み合わせることで、アンケートシステムへの不正アクセスを効果的に制御できます。不正ログインが発生した場合でも迅速な対応が可能となり、被害を最小限に抑えることができます。
これらの導入に際しては、信頼性の高い製品を選ぶことが重要です。市場には多くの選択肢があるため、自社のニーズや要件に合った製品を慎重に選定しましょう。また、ファイアウォール、IPS、WAFの設定には専門的な知識が必要であり、適切な設定と定期的な管理・監視を行うことで、セキュリティ対策の効果を最大化できます。
(3)アクセス権限の管理
Webアンケートのセキュリティを確保するには、アクセス権限の管理も重要です。適切にアクセス権限を設定することで、データ漏洩や不正アクセスのリスクを効果的に防ぐことができます。また、多くの業界ではデータ保護に関する法規制が存在しており、アクセス権限の適切な管理はこれらの法規制を遵守し、コンプライアンスを確保する上でも不可欠です。
役割ベースのアクセス制御は、ユーザーの役割に応じてアクセス権限を設定する手法です。例えば、管理者、編集者、閲覧者などの役割を定義し、それぞれに必要な権限だけを付与します。この方法により、権限を一元的に管理でき、不要な権限を持つユーザーによるデータアクセスのリスクを低減できます。さらに、定期的に権限を見直し、不必要な権限を削除することで、セキュリティ体制を維持することが重要です。
また、不正アクセスは外部だけでなく、社内からも発生する可能性があります。内部の従業員による不正アクセスやデータ盗難を防ぐためにも、必要最低限の権限のみを付与することが効果的です。
(4)信頼できるアンケートツールの選定
Webアンケートへのセキュリティ対策には、専門的なツールやセキュリティシステムの構築が必要であり、時間や費用がかかることがあります。そのため、他社が提供するアンケートツールの活用を検討するのも一つの有効な方法です。
外部のアンケートツールを利用する際は、信頼性の高いサービスを選ぶことが重要です。具体的には、ISMS認証(情報セキュリティマネジメントシステム)やプライバシーマークを取得しているツールを選定しましょう。ISMS認証は、組織が情報セキュリティを適切に管理していることを示すものであり、プライバシーマークは個人情報の適切な取り扱いを保証する認定制度です。
これらの認証を取得しているアンケートツールは、情報管理や個人情報保護の基準を満たしていることが証明されており、安心して利用することができます。信頼できるツールを選ぶことで、安全にアンケートを運用することができます。
ここまで、Webアンケートを実施する際に欠かせないセキュリティ対策をご紹介しました。
上記のような対策以外にも、アンケートデータを定期的にバックアップしておくと、障害や災害が発生した際に、データの紛失や破損を防ぐことができます。
弊社のアンケートツールは、セキュリティ対策を施しているので安全にご利用いただけます。
Webアンケートシステム(WSS)|東芝デジタルマーケティングイニシアティブ株式会社
![[イメージ]定期的なセキュリティチェック](../../common/img/marketing-guide/2025/202501_29/img03.png)
定期的なセキュリティチェック
セキュリティ対策は1度実施すれば終わりというものではありません。定期的なセキュリティチェックを行い、不審なアクセスや設定ミスがないかを確認することが重要です。また、使用しているセキュリティ製品は常に最新の状態を維持しましょう。アップデート通知が表示された際には速やかに対応し、サイバー攻撃に備える体制を整えておく必要があります。
さらに、定期的にアンケートデータへのアクセス権限を持つユーザーの見直しを行い、不要な権限を削除したり、IDやパスワードの変更を定期的に実施したりすることも不正アクセスを防ぐための有効な手段です。これらの継続的な取り組みによって、Webアンケートの安全性を確実なものにすることができます。
まとめ
Webアンケートのセキュリティ対策は、ユーザーの個人情報や企業の機密情報を守るだけでなく、信頼性の高いアンケート運用を実現するための重要な要素です。ファイアウォール、IPS、WAFの導入、アクセス権限の適切な管理といった具体的な対策を実施することで不正アクセスやデータ漏洩のリスクを大幅に低減できます。また、専門的なツールを自社で構築する場合はもちろん、他社の信頼できるアンケートツールを活用することも有効な手段です。
さらに、セキュリティ対策には継続的な管理と改善が求められます。定期的なセキュリティチェックやアップデートの実施、アクセス権限の見直し、ID・パスワードの変更を徹底することで安全性を高いレベルで維持することが可能です。
Webアンケートを安全に運用するためには、こうした対策を総合的に実践し、信頼性の高い仕組みを構築することが欠かせません。顧客や利用者の安心を守ることが、アンケートの成功と企業の信用向上につながるのです。
弊社では上記のセキュリティ対策を施したWSSというWebアンケートシステムを提供しています。高セキュリティのWebアンケートを手軽に利用できますので、弊社のWSSをぜひともご活用ください。
関連情報:以下をご参考になさってください
Webアンケートシステム(WSS)|東芝デジタルマーケティングイニシアティブ株式会社
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※本記事は、2025年1月に作成、公開しました。記事の内容は当時のものです。