< 多角的な観点からWebの課題を整理。お客様の事業と企業PRに貢献 >
デジタル化の加速がさらに進む中、多くの企業がWebを活用して自社の情報を的確に発信し、企業イメージと商品・サービスを積極的に訴求、企業ブランドを確立している。
デジタルマーケティングの企画・施策検討から実施、Webサイトの新設・リニューアル・運用、映像などのコンテンツ作りや動画の配信、イベントの開催支援などまで、トータルでサービスを提供できる、東芝デジタルマーケティングイニシアティブ株式会社(以下、東芝DMI)。
今回は、Webサイトのリニューアルに携わったチームの取り組みについて紹介する。
本インタビューの内容を読んでいただきたい方々は、Webでの情報発信部門、サーバー運用担当部門などの皆さまです。 是非、ご覧になってください!
今回のインタビュー対応者
Webソリューション部
- 鈴木(すずき)
- 企画担当
- 内山(うちやま)
- 分析担当
- 戸塚(とつか)
- デザイナー
- 栗林(くりばやし)
- CMS担当
Webソリューション部門のチームは、企画からデザイン・制作・分析まで対応しており、東芝グループをはじめ主にBtoB企業様のWebに関するご相談やご依頼を受けています。Webの制作運用は年間182サイト(*1)を受注、さらに多くのさまざまなページに携わっていますが、お客様の背景やご要望、体制や進め方は多様です。
今回は、大きなリニューアル事例をベースに、当社がどのようにWeb制作に対応しているのか、担当者の取り組みの様子をご紹介します。
*1)2022年度実績
お客様からいただく主なご要望について教えてください。
お客様は、どのような業界でも、Webサイトを内外との情報コミュニケーションツールとして活用することが殆どです。売上や利益を増やしたい、ファンを増やしたい、人材を集めたい、透明性をもって会社の情報やメッセージを的確に伝えたい、などさまざまな背景や目的があります。そして、それぞれの目的によって、商品やサービスの紹介、販促や会員用のページ、採用や会社概要を用意しています。企業によっては、サステナビリティ推進、IR、ときには周年記念などのページを用意する場合もあります。
多くのお客様は、ターゲットの拡大(既存ユーザーをはじめ、投資家や就職希望者、広く一般消費者にも閲覧していただくこと)を目指し、ユーザー目線の情報設計とデザインの刷新が必要と判断します。そこで、東芝DMIは①サイト、②デザイン、③導線 について課題を整理し、それぞれ設計、リニューアルする方向にて提案するのです。
最近の事例として担当した案件について教えてください。
● 企画 :企画フェーズではどのように対応したのでしょうか?
「冒頭でお客様に、Webサイトにおけるペルソナ(*2)とカスタマージャーニーマップ(*3)は、具体的な顧客のニーズや行動パターンを理解しやすくする上で重要であることをご説明しました。次にペルソナについての概要を挙げていただき、その情報や業界の調査などをもとに、より詳細な設定を進めていきました。次のステップとして、カスタマージャーニーマップを作成するための原案をつくり、お客様とも議論してリアルな行動となるようにブラッシュアップしていきました。その際に出た導線の改善やコンテンツ不足などの課題を解決できるような施策をまとめ、サイト設計担当側にバトンタッチしました。(鈴木)」
- *2)商品やサービスなどを利用する顧客像を具体的に描いた、マーケティングや営業活動における概念。直訳は「人格」。
ペルソナについてはこちらもご覧ください。 - *3)顧客やコンタクト・アクセスしてきた人が、商品やサービスと接点を持ってから購入に至るまでの一連の行動や心理的変化をマッピングし、分析する手法
● 分析 : どのタイミングで、どのような項目についての分析をされたのでしょうか?
「まず既存Webサイトへのアクセスを把握する必要があり、GAのデータで集客、回遊、コンバージョンなどの集計と分析を行いました。集客ではチャネルごとの流入数、キーワードごとのクリック数やGAの掲載順位を確認し、回遊ではページごとの表示回数、滞在時間を確認し、どのコンテンツが興味をもたれているかを把握しました。コンバージョンでは、Webサイト内の資料がどれくらいダウンロードされているか、グループ会社へどれくらい送客されているかを確認し、既存サイトの現状と課題を把握しました。
集客の減少傾向や商品ページでの離脱が多いという課題がみつかり、またGAの計測環境においては設定が十分でなく、Webサイトのポテンシャルの計測について改善する必要がありました。
これらの課題を解決するため、リニューアルの目的と、前工程で定義したペルソナとカスタマージャーニーマップと現状の課題を照らし合わせ、あらたなコンテンツの提案をしました。また、リニューアル後のWebサイトの計測に必要なKPIも新たに定めました。」(内山)
● デザイン : お客様の希望やイメージを具現化するポイント、工夫したことなどを教えてください。
「リーフレットや冊子などの紙媒体を中心に、Webや広告なども担当しています。東芝グループの各カンパニーから一般のお客様の案件を並行して担当することが多いです。
今回は設立する新会社のパーパスや、イメージの刷新によって会社統合のアピールを行うなどの指針をお伺いしました。スクロールテリング(*4)などの動きを取り入れた提案を行い、さまざまな動画の検討をしました。また、各部門からのご意向をふまえ、既存サイトの踏襲や、トップページとは異なるデザイン、ディテールなどを検討・提案し、ご納得いただける形ができたかと思います。
*4)「スクロール」と「ストーリーテリング」を組み合わせた造語。スクロールすることにより、ストーリーテリング(物語を語る)の要素を表現するデザインのこと。
また、マニアックな話になりますが、デザインツール(Adobe XD)の使用法を開拓し、複数の動画再生や3秒以上のアニメーションも実現。静止画と解説文では伝わりにくい、パーパスの表示アニメーションと動画表示の演出タイミングなどを、デザイン段階で承認を得ることができました。
全力で熱意を持ってご提案するとともに、デザイン工程がプロジェクト全体を遅延させないよう俯瞰し、納期内でしっかりと収めるよう工夫もしました。Webサイトの更新後、海外サイトへのデザイン反映や、別な動画などのご相談もありましたので、お客様にはご満足いただけたように感じています。」(戸塚)
< 一般的な仕事の流れ >
● CMS : 難しかった点など、当時の取り組みについて、お話を聞かせてください。
「お客様は統合にあたり、複数のWebサイトを1つにまとめると共に、これまで利用していたPowerCMSをソフトウェア版からクラウド版に変更することを希望されていました。大変だった点は、これまで別々だったWebサイトのコンテンツ運用効率を最大にするためには、どのようにCMSを構築すべきか、という部分を考えるところでした。また、環境が変更になることで調整が必要な点を見逃さないことも重要です。対応期間は2カ月弱でしたが、これまでの経験やCMSの開発元のサポートをうまく活用しつつ進められたと感じています。」(栗林)
今回は、比較的大きな案件についてお話を伺っています。営業担当者からディレクター、また皆さんのように企画、分析、CMS制作、デザイナーなど、専門的知識と実績ある人材がそろっていたようですね。お客様の課題に対して多方面から解決策や対応策を検討していたことがわかりました。
皆さんが感じる 「当社の良さ」 について教えてください。
普段、運用を対応しているメンバー、分析のメンバーと一緒に情報共有や各自の知見をもとに企画を進めていったため、それぞれの知見、課題認識があったからこそ、ぶれない改善案が出せたと思います。個々の力を結集することができ、東芝DMIのチーム力を実感した業務でした。また、Webに限らずいろいろな改善施策の提案(事例ページ、SNS、広告、YouTube、業界誌への掲載、イベントへの参加など)ができたのは、幅広いサービスを提供している東芝DMIならではだと思います。(鈴木)
東芝DMIは、サーバーの運用・管理からWebサイトのコンテンツ、お客様の事業戦略に応じたデジタルマーケティングのコンサルティング、オンライン展示会やリアルタイム配信、映像コンテンツの制作など、Webサイトを中心とした、さまざまな施策の伴走支援とサポート体制が整っています。窓口1つでWebを起点としたデジタルコンテンツを一気通貫で対応できますので、お客様には労力や時間、コストの削減などの面ではメリットを感じていただけると思います。(内山)
当社の良さは、お客様のご要望に応じて、未知の領域にチャレンジする気持ちや、努力を惜しまない姿勢があることだと思います。この案件でXD(デザインツール)を駆使して、プレゼン(最先端スキルを提供)でき、これは自身と会社の財産になりました。(戸塚)
状況的に困難と思われる課題だとしても、本音で話してくださるお客様に対して、一緒に考え、なんとしても乗り越えようとする社員がいることですね。
目的を達成するために、優先順位や実現可能性、難易度などを総合的に判断し、できることだけではなく、できないこと、別の方法を考えたほうが良いことなどもお客様に真摯にお伝えし、ご理解いただこうとする姿勢も、私たちの良さのひとつだと感じています。(栗林)
今後をどのように考えているのか、お客様や仕事に対する想いなども含め、教えてください。
企画の仕事は、サイト制作だけでなく、お客様の状況、業界、商流、なども幅広く知ることができるので、業務知識だけでなくビジネスとしての理解も深まります。調査力も必要になりますが、そういった知識や経験の積み重ねで力をつけていければと思います。(鈴木)
近年、データの計測や分析が重要視されています。事業戦略からブレークダウンする形でKPIを定め、Webサイト改善に向け、その成果を出すためにデータドリブンで進める環境が整ってきました。データドリブンで進める、ということが社内外の標準的なもの(デファクトスタンダート)となるように取り組んでいきたいです。(内山)
お客様から感謝のお言葉をいただき、信頼関係の醸成に貢献できたのではと嬉しく感じています。昨年から生成AIの使用を開始しており、今後も動画や3D表現など、Webデザインの最新動向を取り入れ、変容していこうと思います。(戸塚)
お客様と同じ方向を見て一緒に悩み、考え抜くことを意識しています。幅広い業務を担当していますので、今後は「これが一番できる!」というものを強化したいです。さらに、コンテンツをどのように活用し、プレゼンスを向上できるのか、デジマケ伴走支援にも取り組みたいですし、今後の飛躍のためにも協力会社との連携などを含め、プロジェクトのとりまとめがもっと上手くなりたいです。(栗林)
東芝DMIは今後もBtoBマーケティング企業としてお客様の目的・目標に向かって伴走し、Webサイトの制作・運用を支援、お客様の事業の発展に貢献してまいります。
※本記事は、2024年1月に取材した内容をもとに構成しています。 記事内における社名、組織名、役職、数値などは取材時のものです。