東芝ITサービス株式会社は、IT機器からIoT機器まで社会のさまざまなシステムのライフサイクル全体を通じて、「安心」「品質」「迅速」の3つをモットーに事業を展開しています。
この度、事業やサービス内容をより分かりやすく伝え、さらなる顧客サービス向上につなげるためにWebサイトのリニューアルを行いました。
課題
- アクセシビリティを改善したい
- 情報の見せ方を工夫したい
取り組み内容
- ペルソナの設定や、カスタマージャーニーマップの検討
- バーチャルショールームの新設、概算費用計算ツールの設置など
効果
- 知りたい内容に、感覚的にたどり着ける導線の実現
- ツールの統一でお客様情報を一元化
- 社内意識の向上とWebサイト活用の活性化
お話を伺ったお客様
東芝ITサービス株式会社
営業統括部 営業管理部 松本 崇征 氏
サービス商品・技術開発部 参事 新村 昌之 氏
導線や情報の分かりやすさを改善し、お客様にサービスをより伝えやすくしたい
Webサイトのリニューアルを決めた理由を教えてください。
Webサイトのあり方、活用については、部門によってその考え方が違うのですが、私が所属する営業統括部はサイト全体を企画・統括しています。
当社のWebサイトを俯瞰して見たとき、ITサービスという業種柄、非常に難しい用語が使われていることに加え、文字のみで表現されている事が多いという課題を感じていました。せっかくアクセスしてくださっても、ほかのページに推移しない方々が多く、直帰率の高さが顕著な点をなんとかしたいと思っていました。テキスト文が多いと、読むことに労力が必要だということは容易に想像できることでした。
また、従来のWebサイトは、当社のような業種のことを詳しく知っている方が見ればわかる内容なのかもしれませんが、あまり詳しくない方が見ると、どこにどのような情報が載っているのか見つけにくいサイト構造になっていました。そこで、どのようにすればお客様に私たちのサービスがシンプルに伝わりやすくなるのだろうか、と日々考えていました。
東芝グループ各社との豊富な制作実績と、プロならではの視点
制作パートナーはどのような観点で選定されましたか?
今回のリニューアルは、デザインはもちろんのこと、ペルソナの設定やカスタマージャーニーマップ(※)を考慮した導線や、情報の分かりやすさを改善することが大前提でした。そして、もう一つ重要なことは、東芝グループのWebガイドラインに準拠したものを作る必要がある、ということでした。東芝デジタルマーケティングイニシアティブ(以下、東芝DMI)には、従来からホスティングとWebサイトの全体的なメンテナンスを依頼していましたし、東芝グループ各社の制作実績が豊富で知見もあるということから同社にお願いすることを決めました。以前、グループ外の企業に発注したこともあるのですが、ガイドラインに準拠するというところが難しく、最終的に当社で修正対応をしたという苦い経験がありました。ですから今回は安心してお任せできるところ、というのが当社の総意でした。
Webサイトは公開して終わりではなく、PDCAを回して改善していく必要があります。そのためにも、ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップを作っておくことで、その後の運用がとてもやりやすくなります。Webサイトを作る前段部分とでも言いますか、東芝DMIには専任の企画メンバーがいますので、その方たちの存在もとても大きかったですね。従来のものでも何となくの顧客像は描いていたのですが、ここまでの細かな落とし込みは初めてで全てが手探り状態でした。あくまでも仮説ですので、最初から「正解」というものにはなりませんが、プロの視点でいろいろなアドバイスをもらいながら作り上げることができました。いまでも各種施策決定の際にはここに立ち返ることができ、大いに役立っています。
※カスタマージャーニーマップ:見込顧客(Webサイトに訪れたユーザー)が商品・サービスを認知してから購入に至るまでの行動・思考・顧客接点などを時系列で可視化した図式。適切なアプローチ方法を考え出すために活用される。
事業拡大になくてはならないWebサイトに成長させるために
制作の具体的な内容や進め方について教えてください。
今回のリニューアルは、
- ①バーチャルショールームの新設
- ②概算費用計算ツールの設置
- ③サービスインデックスの見直し
- ④フォームとMAツール(マーケティングオートメーションツール)の接続(お問い合わせ・資料ダウンロード)
を中心に構想を練り上げました。
新設したバーチャルショールームは、簡潔にそして感覚的に理解いただけるようにする必要がありましたので、内容や構成を検討する際にとても苦労をしました。設定したペルソナをベースにカスタマージャーニーマップを考え、どのようなナビゲーションにすれば当社の事業とサービスが伝わるのか、プロジェクトメンバーと東芝DMIの制作メンバーとで何度も打合せを重ねました。また、できるだけ少ない文字で、サービスの利点・メリットを伝えるようにし、足りないところは動画で補完するような工夫をしたこともバーチャルショールームの大きな特長となりました。
概算費用計算ツールは、アクセスした人の予算に対する目安となるツールとして位置付けました。
数種類のフォームは、統一したMAツールに接続するように紐づけを再編することでお客様の情報が一元化され、色々なシーンで活用できる準備が整いました。
コロナ禍の真っただ中でしたので、打ち合わせでは、とにかくMicrosoft Teamsを有効活用していた印象です。週次の定例会もありましたが、困った時はTeamsで連絡をとるとすぐに返事をもらえたり、会話ができたりしました。また、後で振り返って見ることができるチャット機能は便利でしたし、ファイル添付や履歴をたどって確認することもできました。お互いの課題を共通認識したり、やりとりをしたりする上で、とても良かったと思います。両者のコミュニケーションがうまくいったからこそ成功したのだと思います。便利な世の中で良かったです。
WBS(Work Breakdown Structure)を用いた工程管理もとても分かりやすく、安心して進行することができました。東芝DMIは、私たちの意図を的確に汲んでくれました。迷いや不安を拭い去ったり、背中を押してくれたり・・・短い制作期間ではありましたが、満足できるWebサイトを完成させることができました。今回、サポートしてくれた東芝DMIの皆さんには、本当に感謝しています。
思い描いていたコンテンツが実現し、社内外から高評価
リニューアル公開されて、効果はいかがでしたか?
新たなコンテンツとしてのバーチャルショールームと概算費用計算ツールが無事に稼働し、サービスインデックス見直しとMAツールの接続(お問い合わせ・資料ダウンロード)も計画どおりに実現することができました。
公開後、社内外から“とても見やすくなった”という言葉をもらいました。社外の方からは、「(自分たちのWebサイトの)参考にしたい」という嬉しいコメントもいただきました。また、リニューアル公開後に社員を対象にアンケートを実施したところ、”以前より見やすくなった”が70%以上、”非常に良い/良い”が95%以上という高評価でした。苦労が報われましたし、もっと良いものに改善しようという、次なるステップへの意欲も湧きました。
さまざまな情報を発信する場づくりと、新たなコンテンツの充実に注力していきたい
今後についてお聞かせください。
定期的にアクセス解析を行い、継続的なサイト改善の計画を立てていきたいです。
これまではページビューの計測がメインでしたが、今回のリニューアルでは、どこまでスクロールをしたか、リンクをクリックしたか、などを見える化できるように設定しましたので、改善点がより具体的に分かるようになりました。
Webサイトには、ブランディング向上といった役割もありますが、何度も訪問していただけるよう、更新頻度の高いサイトを目標としています。直近では特集ページのボリュームを増やしたいと思っています。コラムや記事の充実、社員を紹介する記事や、動画も増やしたいですね。展示会の報告なども公開することで、当社の情報発信の場として大いに活用したいです。定期的に情報を発信し、SEO(Search Engine Optimization)を意識した記事を作成することで、今後のお客様サービスの向上に生かしていきたいと考えています。