マーケティングコラム

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BtoB企業サイトにCookie同意の対応は必要?
Web担当者が確認すべき判断軸と対応の進め方

Cookie※1同意バナーを設置している企業サイトが増える中、
「自社サイトにもCookie同意の対応は必要なのかな?」
と疑問を持つWeb担当者の方も多いと思います。
実際には、他社が導入しているからという理由だけでCookie同意バナーを設置すればよいものではなく、自社サイトにとって本当に必要な対応なのかを見極めた上で判断することが重要です。

こんな方にお勧めの記事です。

  • BtoB企業のWeb担当者
  • Cookie同意バナーの導入を検討している方
  • 自社サイトのCookie利用状況を見直したい方
  • ※1 Cookie:ユーザーがWebサイトを訪れた際に、サイトからユーザーの端末(主にブラウザー)に送信され、保存される小さなデータのこと。Webサイトを利用した際の情報をブラウザーに保存し、次回以降の利用を便利にするための仕組み。

近年、多くの企業サイトでCookie同意バナーを見かけるようになり、「自社サイトにもCookie同意の対応は必要なのだろうか」と悩むWeb担当者の方も増えています。
結論からいうと、日本国内のBtoBサイトであっても、すべてのサイトでCookie同意対応が一律に必須というわけではありません。一方で、アクセス解析ツールやマーケティングツール、広告配信ツールなどを利用している場合は、自社サイトの利用状況やデータの取り扱い方法に応じて対応を検討する必要があります。
そのため、他社が導入しているからという理由だけで判断するのではなく、自社サイトでどのようなCookieを利用し、どのような情報を取得・活用しているのかを整理した上で、対応の必要性を見極めることが重要です。
本記事では、BtoB企業サイトにおけるCookie同意対応の必要性について、判断のポイントや見落としやすい注意点、対応を進める際の基本的な流れをわかりやすく解説します。

1.BtoB企業サイトにCookie対応は必要?―BtoBサイトの判断軸を整理する

近年、国内企業でもCookie同意への対応は徐々に広がっています。
ある調査では、約半数の企業が何らかの形式でCookie同意管理ツール(CMP)※2を設置している一方、34%の企業は未設置という結果が示されています。オプトイン方式の採用は15%に留まっており、企業ごとに対応方針が分かれている状況が読み取れます。

日本でのCMPの設置状況(n=100)

[イメージ]日本でのCMPの設置状況(n=100)
  • ※2 CMP: Consent Management Platformの略称、Webサイト上でCookie利用に関するユーザーの同意取得や管理を行うためのツール。

この結果からも、Cookie同意対応は国内企業の間で広がりつつあることが分かります。しかし、すべての企業サイトでCookie同意バナーの設置が義務付けられているわけではありません。
日本の個人情報保護法では、Cookieの取得そのものについて包括的な同意取得が義務付けられているわけではなく、サイトで利用しているツールや取得したデータの取り扱い方法によって、求められる対応が異なります。
まずは、自社サイトの状況を確認するための5つの視点を見ていきましょう。

1. 訪問者の範囲

自社サイトへのアクセスは日本国内が中心でしょうか?
それとも海外からのアクセスもあるでしょうか?
特にBtoB企業では、海外拠点や海外取引先から閲覧されているケースも少なくありません。
日本国内向けのコーポレートサイトと思っていても、実際には海外から一定数のアクセスが発生していることがあります。アクセス解析ツールなどを活用し、訪問者の地域を把握することが大切です。

2. データの種類

サイトで利用しているCookieは、ログイン状態の保持などに必要な必須機能用Cookieのみでしょうか?
それとも、Google Analytics 4(GA4)やマーケティングオートメーションツール(MAツール)、広告配信ツールなどのアクセス分析やマーケティング活動を目的としたCookieも利用しているでしょうか?
特にBtoB企業サイトでは、リード獲得やサイト分析を目的として複数のツールを導入しているケースが多いので、自社サイトで利用しているタグやツールを洗い出してみましょう。

3. 外部送信の有無

取得したデータは、外部サービスへ送信されていますか?
取得したデータが自社サーバー内だけで利用されているのか、それとも外部サービスへ送信されているのかも重要な確認ポイントです。
例えば、GA4やMAツールなどのSaaS型サービスを利用していると、多くのケースでデータは外部事業者へ送信されています。
どのような情報が、どこへ送信されているのかを把握しておく必要があります。

4. 取得目的の説明

取得しているCookieの目的について、プライバシーポリシーなどで適切に説明できていますか?
サイト運営を続ける中でツールが追加されても、プライバシーポリシーの内容が更新されないままになっているケースは少なくありません。
特にBtoBサイトでは、長期間ポリシーが見直されていないこともあるため、一度確認しておくことをおすすめします。

5. 自社のブランド方針

貴社の情報管理方針は高レベルなものですか?
法令対応だけではなく、企業としてどのような情報管理方針を掲げるのかも重要な視点です。
取引先のコンプライアンス要件、親会社のガバナンス方針などの理由から、法令で明確に求められていない範囲まで自主的に対応する必要が生じる場合もあります。
法律上必要かだけでなく、「自社としてどの水準で対応していくか」という観点でも判断する必要があります。

ここまで紹介した5つの項目について、自社サイトの状況を確認してみましょう。

Yesが0個
⇒現時点では急いでCookie同意対応を進める必要性は低いと考えられます。ただし、今後のサイト改修やツール導入によって状況が変わる可能性があります。

● Yesが1~2個
⇒直ちに対応が必要とは限りませんが、自社サイトへの訪問状況や利用しているツールなどを確認しておき、Cookie対応に臨めるようにしましょう。

● Yesが3~4個
⇒Cookie対応について具体的な検討を始めるタイミングです。Cookie対応に関する情報収集を進め、必要な対応方針を検討することをおすすめします。

● Yesが5個
⇒Cookie対応の必要性が高い状態です。現状の運用状況を整理し、早急に対応方針の検討や準備を進めましょう。

最終的な判断は各企業のおかれている状況によって異なります。
しかし、自社サイトの現状を整理することで、Cookie同意対応の必要性をある程度見極めることができます。

2.BtoBサイトに潜むCookie対応の3つの落とし穴

Cookie同意対応の必要性は、自社サイトの利用状況に応じて判断することが重要です。一方で、自社では特別な運用をしていないと考えていても、実際にはCookie対応を検討すべきケースが潜んでいることがあります。
その理由の一つが、BtoBサイト特有の運用形態です。例えば、MAツールの活用やグループ会社との情報共有、海外拠点との連携などにより、知らないうちにCookie対応の検討が必要な状況になっていることがあります。
ここでは、Web運用支援の現場において見落としやすい3つのポイントをご紹介します。

落とし穴① 問い合わせフォーム・資料ダウンロードとMAツールの連携

BtoBサイトでは、お問い合わせや資料ダウンロード、セミナーへの申し込みなどの各種フォームを通じて獲得したリード情報をMAツールで管理するのが一般的です。
こうした運用では、自社サイトで入力された情報がMAツールのサーバーへ送信されます。
そのため、「自社サイトで取得した情報だから問題ない」と考えていても、実際には外部サービスへデータが送信されているケースがあります。
特にSaaS型のMAツールは、自社サーバー上で運用しているわけではありません。
そのため、フォーム運用そのものではなく、フォームへの入力内容の送信先やデータの管理先まで含めて確認することが重要です。
リード獲得施策として導入した仕組みが、結果的にCookie対応を検討するきっかけになるケースも少なくありません。

落とし穴② グループ会社・関連会社との情報共有

大企業では、持株会社や事業会社、販売会社といった複数法人で事業を展開しているケースがあります。このような構造の場合、業務上は同じグループ会社として運営されていても法律上は別法人として扱われます。
そのため、以下のような運用を行っている場合は注意が必要です。

  • 取得した問い合わせ情報をグループ会社へ共有する
  • 親会社のCRMへ情報を統合する
  • 複数の営業会社で顧客情報を活用する

社内では当たり前になっている情報共有であっても、Webサイトの訪問者から見ると別の事業者へ情報が提供されていることになります。
現場の視点では「グループ会社だから問題ない」と考えてしまい、プライバシーポリシーでの説明や利用者への周知を見落としやすいので、情報の流れを整理しておきましょう。

落とし穴③ 海外拠点・英語サイト・越境取引

BtoB企業では、海外に子会社があったり、海外取引先があったりすることも珍しくありません。
日本向けサイトだから問題ないと考えていても、実際には海外からのアクセスが発生していることがあります。
特に英語サイトを公開している場合や、EU域内の閲覧者・取引先を想定している場合は、GDPRなど海外規制の確認が必要となることがあります。
また、企業によっては展示会や海外営業活動を通じて取得したリード情報とWebサイトの分析データを組み合わせて活用しているケースもあります。
国内向けサイトとして運営している場合でも、アクセス状況や事業展開の実態によっては海外の法規制への対応を考慮する必要があります。
そのため、海外向け事業を展開している企業や英語サイトを保有している企業は、日本国内の対応基準だけで判断せず、基準の厳しいEU加盟国などの海外のプライバシー規制状況を確認しておくことが重要です。

ここまで紹介した3つのケースは、いずれもBtoBサイトでよく見られる運用でありながら、Cookie対応を見落としやすいポイントです。
「問い合わせフォームを設置しているだけ」 「グループ会社と情報共有しているだけ」 「英語サイトを公開しているだけ」と思っていても、Cookie対応を検討すべきケースがあります。
次章では、実際にCookie対応を進める際の流れについて、設計から運用までの実務ステップを解説します。

3.BtoBサイトのCookie対応 ─ 設計から運用までの進め方

Cookie対応を進める際は、Cookie同意バナーを設置して終わりではありません。
利用しているツールや取得している情報の整理、プライバシーポリシーの整備、同意管理の仕組みづくり、公開後の運用までを含めて対応することが重要です。
ここでは、BtoBサイトのCookie対応を進める際の基本的な流れを5つのステップで紹介します。

ステップ1 現状を把握する

まずは、自社サイトでどのようなCookie情報を取得するタグやツールが利用されているのかを把握します。
具体的には、アクセス解析ツール、広告タグ、MAツール、チャットボット、動画埋め込み機能などを洗い出し、どの情報をどのような目的で取得しているのかを整理します。
この段階で見落とされやすいのが、過去の施策で設置されたタグや利用目的が不明なタグの存在です。
サイトを調査してみると、担当者が把握している以上に多くのタグが動作しているケースも少なくありません。そのため、まずは現状を正確に把握することが重要です。

ステップ2 プライバシーポリシーを整備する

現状を把握したら、プライバシーポリシーやCookieポリシーの内容を確認します。
取得している情報や利用目的、外部送信先などが現在の運用内容と一致しているかを確認し、必要に応じて更新を行います。
Cookie同意バナーの表示だけを整えても、プライバシーポリシーの内容が実態と異なっていては十分とはいえません。
利用者に対して「どのような情報を取得し、どのように利用しているのか」をわかりやすく説明できる状態にしておくことが大切です。

ステップ3 Cookie同意管理ツール(CMP)を選定・設置する

Cookie同意対応が必要と判断した場合は、Cookie同意管理ツール(CMP)の導入を検討します。
CMPによって対応できる規制や機能は異なり、GA4や広告ツールとの連携機能、管理画面の使いやすさ、レポート機能などにも差があります。
導入時に運用要件を十分に確認しないまま進めると、運用開始後に想定外の追加対応が発生することもあります。
そのため、自社サイトの運用体制や利用しているツールとの連携を踏まえながら選定することが重要です。

ステップ4 同意状況に応じた制御を実装する

CMPの導入後は、利用者の同意状況に応じてタグの動作を制御します。
例えば、アクセス解析や広告配信などの目的で利用しているタグについては、利用者の同意状況に応じて動作を切り替える設定が必要になる場合があります。
Cookie対応では、この制御部分の設定ミスが発生しやすい傾向があります。
画面上はCookie同意バナーが正常に表示されていても、実際には同意前にタグが動作していたり、拒否後も情報送信が継続されていたりするケースもあります。そのため、公開前には実際の動作を十分に確認し、設定どおりに制御されているかを検証することが重要です。

ステップ5 運用ルールを策定する

Cookie対応はバナーの掲載だけでなく、継続的な運用も重要です。
Webサイトのリニューアルや新規ツールの導入に伴い、利用するCookieや取得する情報は変化していきます。そのため、新たなタグを追加する際の確認フローや、プライバシーポリシーを更新する手順をあらかじめ定めておくことが大切です。また、定期的に利用状況を見直し、現在の運用内容と公開している情報に差異が生じていないかを確認することも欠かせません。
Cookie対応は導入して終わりではなく、継続的な運用を前提とした取り組みです。取得した情報の管理方法についても定期的に見直しを行い、運用実態とポリシーの内容が一致した状態を維持することが重要です。

自社対応と外部支援の判断ポイント

Cookie対応は、自社で進められるケースもあれば、外部支援の活用が適しているケースもあります。
例えば、

  • 法務・技術の両面に詳しい担当者がいる
  • 国内向けサイトが中心
  • 社内に継続的に見直しできる運用体制がある

といった場合は、自社対応でも進めやすいでしょう。

その一方で、

  • 中〜大規模サイトで多数のタグを利用している
  • 法務または技術面の知見が不足している
  • 海外拠点が多いグローバル企業
  • 担当者異動などにより継続運用に不安がある

上記のような場合は、外部支援の活用も有効な選択肢となります。

外部支援を受ける場合は、CMPの導入だけではなく、現状調査、ポリシー整備、実装、運用支援まで一気通貫で対応できるパートナーを選ぶことでスムーズに対応を進めることができます。
弊社では、2021年よりCookie同意管理ツール「OneTrust」の導入支援を開始し、5年にわたり、お客様へCookie対応を支援してきました。また、現在は「STRIGHT」の導入支援も行っており、お客様のご要件や運用体制に合わせた最適なツールの選定・導入をご支援しています。
Cookie同意管理ツールの導入支援に加え、現状調査からポリシー整備、運用設計まで含めたプライバシー保護対応支援を提供していますので、Cookie対応の進め方にお悩みの方は、ぜひ以下のサービスページもご覧ください。

関連情報
プライバシー保護対応支援(Cookie取得同意管理バナー導入支援)|東芝デジタルマーケティングイニシアティブ株式会社

4.まとめ

Cookie同意対応は、すべてのWebサイトに一律で求められるものではありません。
自社サイトでアクセス解析ツールやMAツール、広告タグなどをどれくらい利用しているかに応じて対応を検討することが重要です。
特にBtoBサイトでは、問い合わせフォームとMAツールの連携やグループ会社との情報共有、海外拠点との連携など、思わぬところでCookie対応が必要となるポイントが潜んでいることがあります。
そのため、「他社が導入しているから対応する」、「法律で必須かどうかだけで判断する」といった考え方ではなく、自社サイトでどのような情報を取得し、どのように管理しているのかを整理した上で、必要な対応を検討しなければなりません。
また、Cookie対応はCookie同意バナーを設置して終わりではありません。
ポリシー整備やタグ制御、公開後の運用まで含めて取り組むことで、適切な運用につながります。
Cookie対応は法務、システム、マーケティングなど複数の領域に関わるため、一人で抱え込む必要はありません。必要に応じて社内関係者や外部パートナーと協力しながら、対応を進めていきましょう。
まずは、自社サイトの現状を整理して、どのような対応が必要なのかを把握することがCookie対応の第一歩となります。

※本記事は、2026年7月に作成、公開しました。記事の内容は当時のものです。

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