マーケティングコラム
BtoBマーケティングで効果測定するための指標と
ツールの選び方
本記事では、BtoBマーケティングの効果測定に必要な指標とツールについて解説します。
こんな方にお勧めの記事です。
- BtoBマーケティングに取り組もうとしている方
- BtoBマーケティングに取り組んでいるが、効果測定に課題を感じている方
- BtoBマーケティングの効果測定をより効果的に行う方法を検討している方
![[イメージ]BtoBマーケティングで効果測定するための指標とツールの選び方](../../common/img/marketing-guide/2024/202403_13/img01.png)
営業プロセスの全体最適化を目指す企業にとって、BtoBマーケティングは不可欠な存在です。しかし、多くの企業で課題となっているのが、効果測定の難しさです。
本記事では、BtoBマーケティングの効果測定に必要な指標とツールの選び方について解説します。個々の施策だけでなく、マーケティングプロセス全体を評価するための方法もご紹介します。
BtoBマーケティングで成果を最大化するためのヒントを見つけていただければ幸いです。
目次
1. BtoBマーケティングにおける効果測定の重要性
![[イメージ]BtoBマーケティングにおける効果測定の重要性](../../common/img/marketing-guide/2024/202403_13/img02.png)
BtoBマーケティングは、企業にとって重要な戦略の一つです。しかしながら、多くの企業が課題を抱えています。それは施策の効果測定と検証です。
本記事では、BtoBマーケティングにおける効果測定の重要性について解説します。
BtoBマーケティングの目的は、売上への貢献と有効な商談の創出です。そのために施策の効果測定と、限られたマーケティング予算をどのフェーズに投入するかを判断することが必要です。
1. マーケティング戦略の検証と改善
現在のマーケティングはデジタルツールを利用し、データを得ることで事実に基づいた分析が必要です。データに基づいた効果測定を行うことで、どの施策が成功し、どの施策が失敗しているのかを明確にすることができますし、それによってマーケティング施策を改善、費用対効果を高めることも可能です。
2. 経営層への説明
BtoBマーケティングを実践している組織やチームは、活動やその成果を経営層に報告する必要があります。また、組織やチームへも成果が求められますが、データに基づいた効果測定結果を経営層に示し、マーケティング活動への理解と協力も得なければなりません。
3. 顧客理解の深化
効果測定結果を分析することで、以下のような顧客の行動やニーズをより深く理解することができます。
- ● 顧客はまだ具体的な検討は行っておらず情報収集段階
- ● 自社商品に興味を持ち商品情報を得ている
- ● 顧客が自社商品の具体的な検討プロセスに入っている
- ● 顧客が知りたい自社商品の情報とは?
2. BtoBマーケティングの効果測定指標
![[イメージ]BtoBマーケティングの効果測定指標](../../common/img/marketing-guide/2024/202403_13/img03.png)
BtoBマーケティングの効果測定指標は、マーケティング活動全体指標と各施策個別指標に分類できます。
マーケティング活動全体指標
マーケティング活動全体指標は、マーケティング活動全体の成果を測定するために用います。顧客の購買プロセスのステージを上記のように3つのステージに分け、それぞれのデータを取得することで、マーケティング活動全体におけるボトルネックを発見していきます。
代表的な指標は以下の通りです。
- ● 自社商品サイトにアクセスしている匿名ユーザー数
- ● 顧客情報獲得チャネルを通過した匿名→実名化したユーザー数
- ● 自社サイトを積極的に回遊している能動的なユーザー数
- ● 商談の発生しそうな見込み顧客数
- ● 実際に営業がコンタクトした顧客数(商談数)
- ● 受注/失注数(額)
各施策個別指標
BtoBマーケティングでは、顧客購買プロセスの各ステージに応じて、さまざまな個別施策を実施します。本記事ではすべての指標を紹介できませんが、下記に主な例を記載します。
- ● Webサイト
- ・セッション数
- ・ユニークユーザー数
- ・エンゲージメント率
- ● メール
- ・送信数
- ・開封率
- ・リンククリック率
- ● フォーム(顧客情報獲得チャネル)
- ・フォームアクセスセッション数
- ・フォームアクセス人数
- ・完了画面アクセスセッション数
- ・完了画面アクセス人数
- ● ウェビナー
- ・フォームアクセス数
- ・事前登録者数
- ・当日来場者数
- ・お礼メールクリック者数
- ・アンケート回答数/率
3. BtoBマーケティングの効果測定ツール
![[イメージ]BtoBマーケティングの効果測定ツール](../../common/img/marketing-guide/2024/202403_13/img04.png)
BtoBマーケティング効果測定を効率的に行うためには、効果測定ツールを活用することが重要です。経験や勘、度胸などを重視する営業スタイルではなく、データに基づいた施策効果を分析することで、制度の高いPDCAサイクルを回すことができるでしょう。
データ分析ツール
- ● Google Analytics 4 (GA4)
- Googleが提供する無料のデータ分析ツール
- ● Adobe Analytics
- アドビが提供する高度なデータ分析ツール
- ● Tableau
- データ可視化に特化したツール
マーケティングオートメーションツール
- ● Salesforce Marketing
Account Engagement - Salesforceが提供するマーケティングオートメーションツール(顧客情報の管理や営業活動との連携など、Salesforceの強みを活かした機能が利用可能)
- ● HubSpot Marketing Hub
- 無料プランも提供されており、中小企業にもおすすめ
- ● Marketo Engage
- 大規模な企業向けの機能が充実。
- ● Eloqua
- エンタープライズ向けの高度な機能が搭載
CRMツール
- ● Salesforce Sales Cloud
- 世界中で最も利用されているCRMツール
- ● Microsoft Dynamics 365
- Microsoftが提供するCRMツール
- ● Oracle Sales Cloud
- オラクルが提供するCRMツール
また、これらはMarTechとも言われており、企業がマーケティング活動にITを取り入れることでプロセスを効果的なものにします。更にBtoBはマーケティングプロセスをシステムで統合、最適化するものとして、マーケティングオペレーション(MOps)とも呼ばれます。
![[イメージ]MarTechマップ](../../common/img/marketing-guide/2024/202403_13/img05.png)
引用:Marketing Technology Landscape 2023(外部サイトにリンクします)
上記は2023年のMarTechマップです。数年前まで数えるほどしかなかったマーケティングに関するITツールもこの数年で激増し、このような状況になっています。
代表的なツールとそれぞれの特徴を理解することで、最適なツールを選択することが重要といえるでしょう。
4. 効果測定を成功させるためのポイント
BtoBマーケティングにおいて、効果測定は成功への道筋を照らす羅針盤のような役割を果たします。成功とは近視眼的な個別施策のKPI達成ではなく、売上(KGI)への貢献のことを指します。
しかし、多くの企業がこの効果測定に課題を抱えているのではないでしょうか。それは、効果測定を「単なる作業」と捉え、本来の目的を見失ってしまっていることがあるからです。
ここでは、効果測定を成功に導くための5つのポイントをご紹介します。これらのポイントを押さえることで、戦略の改善、経営層への説明、顧客理解の深化といった効果を最大限に引き出すことができます。
1. 目的の明確化:
羅針盤なしで航海はできません。効果測定を始める前に、何を、どのように測定したいのかを明確にしましょう。有効商談の創出件数、有望顧客発見数、顧客情報獲得数など、具体的な目標を設定することが重要です。
2. KPIの設定:
目標達成度を測るための指標は、適切な羅針盤の目盛りです。顧客獲得数、実名化数、有望顧客数、顧客情報獲得数/率(コンバージョン率)お問い合わせ数/率(コンバージョン率)など、目標に合致したKPIを設定しましょう。
3. ツールの活用:
効果測定を効率的に行うためには、適切なツールが必要です。前項で解説したマーケティング業務の生産性、精度を高めるツールを含め、マーケティング&セールスの業務を効率化するためのツールを活用しましょう。
4. データ分析:
データは羅針盤が示す方向です。収集したデータを分析することで、課題を発見し、改善策を検討することができます。経験や勘なども大切ですが、そこにデータを加えることでさらに活動が加速します。
5. 継続的な改善:
効果測定は単発の作業ではありません。定期的に測定を行い、結果に基づいて戦略を改善し続けることが重要です。毎月、個別施策の効果測定およびマーケティングとセールスのプロセス全体でのパイプライン分析を行い、PDCAサイクルを回しましょう。
![[イメージ]効果測定を成功させるためのポイント](../../common/img/marketing-guide/2024/202403_13/img06.png)
5. まとめ
BtoBマーケティングは、企業にとって重要な戦略の一つです。しかし、多くの企業が課題を抱えています。それは、効果測定の難しさと、その重要性に対する理解不足です。
本記事では、以下の項目についてふれました。
- 1. BtoBマーケティングにおける効果測定の重要性
- 2. BtoBマーケティングの効果測定指標
- 3. BtoBマーケティングの効果測定ツール
- 4. 効果測定を成功させるためのポイント
BtoBマーケティング効果測定は、単なる作業ではなく、成功への道筋を示す羅針盤です。 4つのポイントを押さえ、効果測定を積極的に活用することで、競争優位性を獲得し、ビジネスを成長させましょう。
効果測定を活用することで、以下のメリットを得ることができます。
- ・戦略の改善: データに基づいて戦略を改善することで、費用対効果を高めることができます。
- ・経営層への説明: 効果測定結果を経営層に示すことで、マーケティング活動への理解と協力を得ることができます。
- ・顧客理解の深化: 効果測定結果を分析することで、顧客の行動やニーズをより深く理解することができます。
BtoBマーケティングの成功に向けて、経験や勘にデータを加えた効果測定を積極的に活用しましょう。
本記事が、BtoBマーケティング効果測定の理解を深め、実践に向けてのヒントになると幸いです。
次回は、「BtoB企業の採用担当が取り入れるマーケティング視点とは?」 についてご紹介予定です。
どうぞお楽しみに!
■過去のコラムは以下からご覧ください。
マーケティングコラム
※本記事は、2024年3月に作成、公開しました。記事の内容は当時のものです。