開館10周年を迎えた東芝未来科学館。その前身である東芝科学館時代から、子ども、大人といったあらゆる年齢層はもちろん、技術者や海外からのお客様まで、多くの来館者に東芝の技術を紹介し親しまれてきました。近年、その展示・体験コンテンツが日々進化し、年代を超えたさまざまな来館者に喜ばれるとともに、皆様に笑顔と感動をお届けしています。これらのコンテンツの展示に取り組んできた経緯と想いについて伺いました。
東芝未来科学館様
インタビュー動画(ダイジェスト版)
課題
- デジタルコンテンツの充実で展示をリアルに分かりやすくしたい
- タイムリーなコンテンツの更新で東芝のブランドイメージを向上したい
取り組み内容
- ウェルカムムービー
- 情報提供システムiTSM
- 東芝未来科学館AR
- ミライドア for SDGs
- 自分で作れるIoT ifLink®
- 公式Webサイト
効果
- 来館者の笑顔・満足
- 変化する東芝事業の周知と認知拡大
お話を伺ったお客様
東芝未来科学館
館長 福家 浩之(ふけ ひろゆき)氏
新藤 尊彦(しんどう たかひこ)氏
太田 理絵(おおた りえ)氏
東芝の技術と社会への貢献を、どなたにもわかりやすく楽しくお伝えしたい。
東芝未来科学館の歴史と役割について教えてください。
東芝未来科学館は2024年1月31日で10周年を迎えました。この10周年というのは現在の場所に居を移し『東芝未来科学館』と名前を変更してからのことで、その前身となる東芝科学館は設立が今から60年以上も前の1961年にさかのぼる企業博物館の草分け的存在になります。東芝の最先端技術や製品・サービスの紹介にとどまらず、それらがもたらす便利な社会・豊かな暮らしといった「お客様にとっての価値」をご理解・ご認識いただくことが大切な目的だと思っています。そしてその価値を裏で支える科学技術のすごさや面白さを楽しく体験しながら学んでいただくための文化交流のための施設です。
世の中のデジタル化が進み、スマートフォンやWi-Fiが劇的に普及し始めたころから当館の展示物は大きく変化しました。従来、お客様は「見る」「学ぶ」ことがメインでしたが、今は「体感できる」「体験できる」そしてデジタルを通じて「楽しめる」コンテンツという点も求められるように変わっていきました。社会科見学で来館される小学生は、タブレットPCを持ち、写真と記録を取ってアプリ上からレポート提出する学校もあるようです。子どもたちが当たり前のようにデジタル機器を使いこなしているのですから、『未来』と名の付く東芝未来科学館の名前にふさわしいコンテンツで楽しみながら、国内外のさまざまな方に東芝の技術や社会に果たしている役割を理解し、学んでいただくことが当館の使命だと考えています。
デジタル社会の潮流を先取りし、常に最適なコンテンツ展示を
どのようなコンテンツでデジタル化の展示を推進したのでしょうか。
お客様をお迎えするウェルカムムービー、情報提供システムiTSMのCGアニメーションとプログラム改訂、スマートフォンで東芝の技術を見ることができる東芝未来科学館AR、非接触型インタラクティブコンテンツを体験できるミライドア for SDGs、組み合わせで誰もが簡単に便利なIoTを作ることができるifLink®などのコンテンツで拡充を図り、デジタル化を進めることができました。
東芝未来科学館ARは既存の『マチスキャナー』という展示のリニューアル版です。マチスキャナーは専用の端末で街のジオラマにあるマーカーを読み取るとARのアニメーションとともにクイズが出題されるというものでした。このコーナーの案内を担当していたスタッフから「スマートフォンを使って何かできないか?」という提案があり、このひと言が現在の東芝未来科学館ARの開発をスタートするきっかけとなりました。海外からのお客様が増えていることや今後のコンテンツ拡充のために、まずは当時まだあまり馴染みのなかったフリーWi-Fiをいち早く導入することから始めました。これがとても大きな一歩で、その後のコンテンツの企画に拍車がかかった要因でないかと思います。
真摯で丁寧なプロ目線での対応に、安心と信頼
東芝DMIへコンテンツの制作依頼をするに至った経緯を教えてください。
まず安心してお願いできる要素が東芝のグループ会社ということでした。社内で紹介を受けたということもありますが、東芝およびグループ会社のWebサイトや動画制作、イベントの配信など数多く手がけているので、経験値が高いのです。また同時に、社内規定やブランドガイドライン、各部門の業務内容などにも精通しています。たとえば展示の企画を行う際に、「そのデータは〇〇に依頼をすれば入手できます」とか「この内容でしたらこのようにすると承認されやすいと思います」といった具合にさじ加減が分かるアドバイスをいただけました。
私たちと一緒にお客様のことを考えながら動いてくださったので、短期間でありながらも満足していただけるコンテンツが完成したのだと思います。
もう一つ、当館にとって大きな出来事がありました。それは情報提供システムiTSMのアプリケーションが、Google社のポリシー変更により期限内に対応しないとお客様にお使いいただけなくなってしまうかもしれないという状況になったことでした。どこの会社にお願いできるか、またどのように依頼をすればよいかを早急に考えて決断しなければならなかった時にどこよりも早く駆けつけてくださったのが、東芝未来科学館ARの開発でお世話になっていた東芝デジタルマーケティングイニシアティブ(以下、東芝DMI)でした。
その時の担当の方の対応の速さと安心感は忘れられません。本当に感謝しています。
東芝DMIの一番の魅力はデジタルに精通しているということです。そして、お客様のニーズに合わせたいという私たちの意向を汲み取って一緒に考え、プロ目線でアドバイスをいただけたことも有難かったです。
お客様の笑顔が、私たちの最高のモチベーション
それぞれのコンテンツに対して、お客様の反応はいかがでしたか?
館内で体験している皆様の笑顔を見れば分かります。特によく分かるのは、ご家族でいらっしゃる方が多い土曜日です。お子様がスマートフォンを器用に使って楽しんでいます。こうやればできる、というのが感覚的に分かるようです。もともとそういう狙いではあったのですが、実際に目にすると本当に驚きます。
東芝未来科学館ARは東芝がどのようなことに取り組んでいてどんなところに技術が使われているかということを、ご家族で会話をして楽しみながら理解していただいている姿がとても印象的です。アプリ上で全てのエリアをクリアすると調査員となって記念写真を撮ることができるのですが「お父さん、お母さん、見て!」とお子様のうれしそうなお顔を拝見すると「ああ、やって良かった」とこちらまでうれしくなります。
東芝というと少し前までは家電のイメージなどもあり一般の方々にも親近感を持っていただいていたと思うのですが、現在は事業内容が大きく変化し、身近に感じることが少なくなっているかもしれません。そういう意味ではこのようなコンテンツの存在は大きな意味を持っていますし、今後の事業変化にも対応したコンテンツの継続が必要不可欠であると感じています。
また、東芝DMIには当館の公式サイトのコンテンツ制作や運用などもお願いしています。今回も開館10周年にあたって開催されたいくつかのイベントや企画展をまとめた特設ページを制作していただきました。短い期限の中でも適切なアドバイスと細やかなご対応のおかげで、希望どおりのページに仕上がり感謝しています。
ワクワク・ドキドキするコンテンツを創っていきたい
東芝未来科学館の、今後の展望を教えてください。
東芝未来科学館はこれからも明るい未来を感じさせる場所であり続けたいと思っています。当館のビジョンは見学に来られたお客様がまた来たい、人に勧めたいと思っていただけるようなワクワクする科学館であることです。
そのためにはスタッフ自らがワクワクして、館内の展示物を常に最新の状態にし分かりやすい内容でご紹介する必要があります。また、お子様からご年配の方まで「見て」「触れて」楽しく科学技術のすごさを学べるように今後も新しい展示を提供し続けていきたいですし、何度も来館いただき楽しんでいただくためには、私たち自身が常に進化し続けないといけないと思っています。
これらのコンテンツは制作して終わりではありません。そして内容だけでなく、デジタルの進化に応じたバージョンアップが必要です。変わり続けるためには東芝DMIのサポートが不可欠です。
東芝DMIはWebサイト、デジタルコンテンツ、動画などさまざまなコンテンツの企画から制作までを一貫して行っています。そして互いにシナジーを生み出しながら提案をすることができる、そういう強みを持ち備えている「真のプロ集団」だと実感しています。
私たちは「まだできる」「もうちょっとできる」と自身に言い聞かせながら、多くの『楽しみ』『驚き』『感動』をどのようにお届けできるかを考えています。そんなワクワク・ドキドキをこれからも東芝DMIの皆さんと一緒に創り上げ、お客様に笑顔をお届けしていきたいと思います。