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今だから知りたい、ChatGPTとチャットボットとは?

*本記事では、ChatGPTとチャットボットについて、具体例とともに解説します。

*以下のような方々にご紹介する記事です。

  • マーケティングや企画部門の担当者
  • Webサイトや商品の担当者
  • マーケティングで企業の経営改善を望む方
  • デジタル業界の最新動向にご興味のある方
今だから知りたい、ChatGPTとチャットボットとは?

近年、AIという言葉が多用され、ビジネスや日常生活でも活用されている様子を目にしたり、耳にしたりするようになってきました。昨年(2023年)は、米OpenAI社によって開発された、人間との対話に近い自然な文章を生成するAIチャットサービス「ChatGPT(チャットジーピーティー)」が2ヵ月で1億ユーザーを突破するという、記録的な成長を遂げたニュースは皆さんにも届いているかと思います。
今回は、そんなChatGPTとチャットボットについて基本的な観点からご紹介します。

市場概況

ChatGPTは2020年に完成したGPT-3の時点で、その高い文章生成能力が注目されていましたが、一般ユーザーにはまだ馴染みの薄い状況でした。しかし、GPT-3.5のリリースでは特に日本語対応を強化、さらに2023年3月には、より高精度なGPT-4として機能拡張が進みました。
進化とともに、機能拡張に伴う法的課題も浮上し、社会的・法的枠組みの見直しが急務懸念の声が上がり、OpenAI社はAI安全性に対する取り組みを強調、国際的な議論の促進に努めることになりました。さらに、G7広島サミットでは「広島AIプロセス」の合意に至り、AIに関する国際指針が確立されたことも記憶に新しいことでしょう。

では、昨年から今年にかけて調査された、以下の結果をご覧ください。

● ビジネスシーンでの「ChatGPT」の利用方法について教えてください。(複数回答可)

[イメージ]ビジネスシーンでの「ChatGPT」の利用方法について教えてください。(複数回答可)

● あなたがお勤めの会社でChatGPTを業務で利用する予定や方針はありますか。

[イメージ]あなたがお勤めの会社でChatGPTを業務で利用する予定や方針はありますか。

上記2つのグラフ(*1)では、ChatGPTの利用方法や利用の予定や方針について調査されています。1つ目のグラフでは、原稿作成や情報検索などのほかに、関数やプログラミングの生成、アイディアを出したい時などに活用されていること、そしてその反面で、ビジネスシーンで利用したことがないという回答が半数を超えています。2つ目のグラフでは、回答者の18%の勤務先で既にChatGPTを利用、23.7%が検討されており、合計で約4割が、「ChatGPT」利用に対して前向きであることがわかります。一方で方針について、35.5%がわからないと回答していました。

では次に、チャットボット(chat+botを足し合わせた造語で、ユーザーの入力するテキストや音声に対して、ロボットが自動的、タイムリーに回答する会話型システム)に関する調査結果を紹介しましょう。

● ビジネス・チャット・ツール市場規模の推移と予測(*2)

[イメージ]ビジネス・チャット・ツール市場規模の推移と予測*2

ビジネス・チャット・ツールの市場規模は、2024年度に395億2000万円、2026年度に437億5000万円。そして、2027年度には454億5000万円まで拡大すると予測されています。

データをもとに考える

先出の調査結果からは、ChatGPTを業務で利用する予定や方針について、企業ごとに異なる状況になっている様子が見受けられます。ChatGPTに対する社内の仕組みづくりやルール、懸念事項についての対応で、各社がさまざまなアプローチを取っていることや、業態や事業内容によっても違いがあることが推測できます。

またチャットボットについては、矢野経済研究所の上記調査(*2)によると、2022年度の国内ビジネス・チャット・ツールの市場規模推移・予測(事業者売上高ベース)は、前年度比129.7%の330億5500万円、2023年度は前年度比109.9%の363億3000万円を見込むとあります。
コロナ禍の在宅勤務に伴う環境整備や、現場業務の業務効率化に向けた基盤整備で増加し、在宅勤務から出社へと切り替える企業が出てきたことにより成長率が少し鈍化している面があると推測できます。しかし、継続して緩やかに成長しており、利用者は確実に増えていることがわかります。

[イメージ]データをもとに考える

ここがポイント!

では、ChatGPTとチャットボットの特徴と、活用する際のポイントをご紹介していきたいと思います。

まず、基本的な観点で、ChatGPTとチャットボットの特徴と活用方法についてご紹介します。
ChatGPTは、OpenAIによって開発された特定の大規模言語モデル(GPTシリーズ)をベースにしたチャットボットです。このモデルは、数十億ものテキストデータを学習しており、自然言語処理(NLP)を用いて、人間のような流暢で理解しやすいテキストを生成します。
特に複雑な質問に対する詳細な回答、文書作成、プログラミングコードの生成など、高度な対話が必要な用途に活用されます。教育、研究、コンテンツ作成、顧客サポートなど、多岐にわたる分野でその応用されています。

一方、一般的なチャットボットは、よりシンプルなタスク指向の対話システムから、ある程度の対話能力を持つものまで、さまざまです。これらは主に顧客サービス、FAQ、予約システムなど、特定の業務を自動化するために設計されています。ルールベースのものから、機械学習を活用したものまで幅広く、その応用範囲は企業や組織のニーズに応じて異なります。多くの場合、利用者からの特定の問いかけに対して即座に回答を提供することを目的として提供・活用されているのです。
特に、Webサイトを使ってサービスを提供するシーンでは、Webサイトの導線強化やお問い合わせ対応の負荷低減を実現するための需要が大変多くなっています。チャットボットの知識がなくても、サポートを依頼できるような企業を探すことも、自社の事業を成長させるための重要なポイントの1つです。

[イメージ]ここがポイント!

今後の展望

現在、ChatGPTやその他の高精度なAIモデルを搭載したチャットボットは、自然言語理解(NLU)と生成(NLG)能力が飛躍的に向上しています。これにより、ユーザーの意図をより正確に理解し、より人間らしい、自然な対話が可能になっています。また、多言語サポート、声による対話、感情認識など、新たな機能が組み込まれつつあります。

特にChatGPTは、継続的にモデルが更新され、より精度の高い対話が可能になるとともに、新しい用途への適応が進んでいます。2024年にはさらなる機能拡張と市場の拡大が予測され、ChatGPTのAPIを活用する企業の増加やAIスキルを持つ人材への需要が高まることも見込まれています。Googleの新AIモデル「Gemini」との競争も予想されるなか、ChatGPTは継続的な進化を遂げ、AIサービス市場をリードし続けることでしょう。

一般的なチャットボットもまた、AI技術の進化に伴い、より洗練された対話管理やユーザー体験を提供する方向に進化しています。チャットボットの未来は、さらなる自然言語理解(NLU)の向上とともに、顧客サービスでは、ユーザーの意図や感情をより深く理解し、個々のニーズに合わせた対話を提供できるようになるなど、個別の顧客ニーズに合わせたパーソナライズされたサービス提供が可能になってきており、ユーザーの満足度向上に貢献していくでしょう。また、ヒューマンタッチを加えることで、より信頼性の高いユーザー体験を実現する方向に進むことも期待されます。

これらのことを踏まえつつ、私たちはビジネスやプライベートで知りたい情報を入手したり、疑問点をスムーズに解決したりするなど、目的に応じてさまざまなAIやツールを使い分ける必要があります。
今後もAIは飛躍的なスピードで進化し続けていくことでしょう。世界の動向や最新情報をキャッチし、各ツールの特徴、活用事例などをしっかりと理解した上で有効活用していくことが重要です。

次回は「周年の記念」についてご紹介予定です。どうぞお楽しみに!

■過去のコラムは以下からご覧ください。
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*本記事は、2024年2月に作成、公開しました。記事の内容は当時のものです。

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